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ラズパイでレトロゲーム機を自作|RetroPie導入

更新: 中村 拓也
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ラズパイでレトロゲーム機を自作|RetroPie導入

RetroPieは、Raspberry Pi上で動く無料のレトロゲームOSで、ファミコンからプレステ世代までを1台で遊べるようにする仕組みです。標準で50以上のゲーム機やPCに対応し、Raspberry Pi本体・microSDカード・USB-C電源・HDMIケーブル・コントローラーの5点から始められるので、

RetroPieは、Raspberry Pi上で動く無料のレトロゲームOSで、ファミコンからプレステ世代までを1台で遊べるようにする仕組みです。
標準で50以上のゲーム機やPCに対応し、Raspberry Pi本体・microSDカード・USB-C電源・HDMIケーブル・コントローラーの5点から始められるので、まず全体像と必要なものをつかめば購入判断がぐっとしやすくなります。
筆者はワークショップでラズパイのレトロゲーム機づくりを何度も指導してきましたが、受講者が最初に詰まるのはいつも機種選びとコントローラー設定でした。
ここを先回りで押さえれば、Pi 4やPi 400での素直な導入から、Pi 5で手動ビルドが必要になる分岐、さらに有線接続でのマッピングからBluetoothやホットキー設定まで、迷わず進められるでしょう。

完成イメージと自作に必要なもの5点

RetroPieは、Raspberry Piを差し込むだけでミニレトロゲーム機に変えられる無料ソフトです。
標準で50以上のゲーム機やPCに対応しており、ファミコンからスーファミ、メガドライブ、PCエンジン、N64、プレステ世代までを1台にまとめられます。
完成形を先に見せると、microSDを挿して通電した瞬間にEmulationStationの画面が立ち上がり、「これだけで動くんだ」という驚きが制作の入り口になります。

RetroPieとは何か(EmulationStation+RetroArchの役割分担)

中身はEmulationStationとRetroArchの二層構造です。
EmulationStationはゲームを選ぶ見た目のメニューで、RetroArchは実際にゲームを動かすエミュレーター本体だと押さえておくと、設定の迷子を避けやすくなります。
筆者のワークショップでも、まずこの役割分担を説明してから触ってもらうと、後のコントローラー設定やトラブル対処が一気に通りやすくなるのです。

用意する5点と予算の目安

自作に必要なのは、Raspberry Pi本体、microSDカード、USB-C電源アダプタ、HDMIケーブル、コントローラーの5点が基本です。
家にUSB電源やHDMIケーブルがあれば、その分だけ出費はさらに下がります。
専用ケースや冷却パーツは最初から必須ではなく、まずは動かしてから足せばよい構成でしょう。
microSDも8〜16GBで起動はしますが、複数世代を入れるなら64〜128GBにしておくと容量面で悩みにくくなります。
容量よりも、信頼できるメーカー品を選んで書き込み速度を確保するほうが、起動の快適さに効きます。

項目役割目安
Raspberry Pi本体ゲーム機の中核1台
microSDカードOSとゲームの保存先8〜16GBで起動、64〜128GBで快適
USB-C電源アダプタ安定動作の電源1個
HDMIケーブル画面接続1本
コントローラー操作用入力1台以上

どの世代まで遊べるか(8/16bitは余裕・PS/N64は機種次第)

遊べる世代の目安は、8/16bit、つまりファミコンからスーファミ、メガドライブまでならどのPiでも余裕があります。
ここは最初の成功体験に向いていて、受講者にも「最初から全機種を詰め込まない」と伝えています。
まず8/16bitだけで一度完成させてから世代を増やすほうが、途中で挫折しにくいからです。
N64やプレステは機種の性能次第で快適さが変わるため、最初はそこを欲張らず、遊びたい世代から逆算して機種を選ぶ進め方がおすすめです。

機種の選び方:Pi 4・Pi 5・Pi 3B+の違い

Raspberry Pi でレトロゲーム機を組むなら、最初の分岐は機種選びです。
導入の手軽さを優先するならPi 4かPi 400、性能を優先して手作業を受け入れるならPi 5、8/16bit中心でコストを抑えるならPi 3B+が軸になります。
ここを曖昧にすると、当日のセットアップで詰まりやすくなるので、機種ごとの違いを先に押さえておきましょう。

いちばん無難なのはPi 4 / Pi 400

Pi 4とPi 400は、初めての1台として扱いやすい構成です。
公式のプリビルドイメージが用意されているため、Raspberry Pi Imagerで「Emulation and game OS」からRetroPieを選び、対応するイメージを書き込むだけで導入が進みます。
Raspberry Pi Imagerで完結する流れは、OS構築やビルド作業に時間を取られないのが利点で、初心者が最短で完成にたどり着きやすいです。
Pi 400も中身はPi 4と同等なので、キーボード一体型で机をすっきりまとめたい人にはおすすめです。

筆者のワークショップでも、事前説明を省くと「とりあえず最新っぽいから」でPi 5を買ってくる参加者が少なくありませんでした。
ところが当日になって公式イメージが無いことに気づき、予定していたコントローラー設定まで進めないことが起きます。
Pi 4系ならこの手戻りが起きにくく、初回の成功体験を作りやすい。
機種を迷う段階なら、まずPi 4かPi 400を選ぶのが堅実です。

最新を狙うならPi 5(ただし手動ビルド前提)

Pi 5は性能面で魅力がありますが、導入の流れはPi 4系とは別物です。
現状、公式のプリビルドイメージが無く、Raspberry Pi OS上にRetroPieを手動で入れる必要があります。
Raspberry Pi OSをクリーンインストールしたうえでRetroPie-Setupスクリプトを取得し、Basic installでコア一式を組み込む流れになるため、ターミナル操作に抵抗がない人向けです。
最新機を選ぶこと自体は悪くありませんが、何を自分で行うのかを理解したうえで進める必要があります。

Pi 5で手動導入する場合は、64bit版Raspberry Pi OSが強く推奨されます。
32bitを選ぶと後で詰まりやすく、RetroPie周りの作業が余計に増えます。
OS選択の段階で64bitを選ぶ、という一手だけで後工程の面倒がかなり減る。
性能を取るなら手間も取る、という整理です。

安く8/16bitだけならPi 3B+

8/16bit中心で遊ぶだけなら、Pi 3B+で十分に快適です。
中古でも入手しやすく、消費電力を抑えやすいので、常時つなぎっぱなしのレトロ機として扱いやすい。
筆者が8/16bit中心の相談にPi 3B+を勧めたときも、コストと発熱が下がって満足度は高くなりました。
性能は「遊びたい世代に足りていればよい」と割り切ると、機材選びがずっと楽になります。

ただし、N64やプレステ世代まで視野に入れるなら話は変わります。
Pi 3B+は軽い世代では頼もしい反面、重いタイトルでは力不足が出る場面があります。
そこで遊びたいソフトの世代から逆算して機種を決めるのが正解です。
比較の軸は導入の手間、性能、対応世代の3つに絞ると見通しがよくなります。

機種導入の手間性能対応世代
Pi 4 / Pi 400低いバランス型8/16bit〜軽めの3D系
Pi 5高い高性能より重い世代まで狙いやすい
Pi 3B+低い軽量向け8/16bit中心

この表で見ると、Pi 4は「手軽×バランス」、Pi 5は「高性能×手動」、Pi 3B+は「安価×軽量」と整理できます。
どれを選ぶかで迷う時間を減らしてしまいましょう。
導入のしやすさを取るか、性能を取るか、その線引きが購入後の満足度を決めます。

microSDへのRetroPie書き込み(Pi 4の最短ルート)

Pi 4でRetroPieを始めるなら、まずRaspberry Pi ImagerでmicroSDに書き込む流れを押さえるのが最短です。
公式のプリビルドイメージはPi 0/1・Pi 2/3・Pi 4向けにそろっているため、導入のしやすさではPi 4が一歩リードします。
Pi 5は公式プリビルドイメージがなく、Raspberry Pi OS上への手動インストールが必要なので、手軽さを優先するなら最初の選択肢はPi 4、8/16bitコンソール中心ならPi 3B+やPi 400も扱いやすいでしょう。

Raspberry Pi Imagerのインストールと起動

Pi 4の書き込み作業は、PCにRaspberry Pi Imagerを入れるところから始まります。
WindowsでもMacでも手順は同じで、専用の書き込みツールを別途探す必要はありません。
microSDカードリーダーを接続したら、まず指定先のドライブ文字を確認しておきます。
初心者の現場ではここを見落として別ドライブを選ぶ事故が時々起きるため、ひと手間の確認がそのまま安全策になります。

起動後は、Imagerの画面でOS選択に進みます。
ここでは機種ごとの構成を見分けることが大切で、Pi 4用のイメージを選ぶ場面を外すと起動しません。
Pi 3B+は8/16bitコンソールなら快適に動くため、軽めのゲーム中心なら候補になりますし、Pi 400も中身はPi 4系として考えてよい場面が多いです。
性能と導入のしやすさのどちらを優先するかで、購入機種が自然に絞れてきます。

RetroPieイメージの選択と書き込み

Imagerでは「OSを選ぶ」から「Emulation and game OS」、さらに「RetroPie」と進み、Pi 4に合うバージョンを選択します。
ここでの要点は、名前が似ていても機種違いのイメージを選ばないことです。
Pi 4は公式プリビルドイメージがあるので最短で始められますが、Pi 5は同じ手順では進めません。
導入のしやすさを重視するなら、この差はかなり大きいと言えます。

ストレージにはmicroSDを指定し、書き込みを実行します。
完了したらmicroSDをPi本体に挿し、HDMI、電源、コントローラーをつないで通電します。
ここで初回起動が始まりますが、書き込み直後はまだ設定が終わっていないので、慌てず次の画面を待ちましょう。
Pi 5で手動導入に進む場合は64bit版Raspberry Pi OSが強く推奨されるため、同じRetroPieでも入口の手間ははっきり分かれます。

初回起動でEmulationStationが立ち上がるまで

初回起動ではEmulationStationが立ち上がり、microSDの全容量を使えるようストレージ拡張が自動で行われます。
受講者が「フリーズした?」と不安になる場面ですが、最初の1回だけ少し時間がかかるのが普通です。
待っている間に余計な再起動を入れないほうがよく、ここで落ち着いて待てると、その後の設定も進めやすくなります。

コントローラーがつながっていれば、そのまま初回のキーマッピング画面へ進みます。
ここまで来れば、RetroPieの土台づくりはほぼ完了です。
次のコントローラー設定章では、操作方法を実際に割り当てながら使いやすさを整えていきましょう。

Pi 5での手動インストール(RetroPie-Setupスクリプト)

Pi 5のRetroPie導入は、Pi 4のようにイメージを書き込むだけでは完了しません。
公式のプリビルドイメージはPi 0/1・Pi 2/3・Pi 4向けに用意されていますが、Pi 5には現状それがなく、Raspberry Pi OSの上にRetroPieを手動で重ねる流れになります。
Pi 3B+は8/16bitコンソール向けなら快適に動き、Pi 400もPi 4系と同等に考えてよいので、購入機種はここでかなり絞り込めるはずです。

Raspberry Pi OS(64bit)を先に入れる

Pi 5では、まずRaspberry Pi OS(64bit)をImagerでクリーンインストールします。
64bit版を強く推奨するのは、あとからRetroPie側の導入やコアの追加でつまずきにくく、32bitとの取り違えで後工程の互換性に悩まされる場面を減らせるからです。
筆者もPi 5で手動ビルドを試したとき、OS選択で64bitを外したことが後で面倒を招いたので、ここは最初に固定してしまうのが安全だと感じています。

クリーンインストールにしておくと、余計な常駐や設定が少ないぶん、RetroPie-Setupスクリプトの動きが読みやすくなります。
Pi 4の「書き込んで起動するだけ」に慣れていると少し回り道に見えますが、Pi 5はこの二段構えが前提です。
迷ったら、まずOSを安定して起動させるところまでを一つの区切りにしましょう。

RetroPie-Setupスクリプトの取得と実行

OSが起動したらネットワークに接続し、RetroPie-Setupスクリプトを取得して実行します。
これがRetroArchや各種エミュレーターのコアを自動でビルド・インストールしてくれる公式の仕組みで、手作業で依存関係を一つずつ追うより、構成の見通しが立てやすいのが利点です。
Pi 5ではこの段階から手動導入になるため、作業の流れを自分で理解しながら進める意識が求められます。

ℹ️ Note

ビルド中は電源の安定性がそのまま結果に出ます。筆者が試したときも、USB-C電源の出力が不安定だと途中で失敗することがありました。ここは派手ではありませんが、地味に効くポイントです。

手順自体は難しくありませんが、実行中にネットワークが途切れると取得や展開で止まりやすくなります。
安定した接続と、途中で再起動しない前提の環境を整えてから進めましょう。

Basic installとビルド完了後の確認

スクリプトのメニューからBasic installを選ぶと、必要なコアがまとめてビルドされます。
ここで入るのは単なる起動用ファイルではなく、後からエミュレーターを動かす土台そのものです。
ダウンロードとコンパイルには時間がかかるので、電源を抜かずに待てる状態を作っておくと安心です。

ビルドが終わって再起動すると、Raspberry Pi OS上でEmulationStationが起動できるようになります。
ここまで来れば、コントローラー設定やROM配置はPi 4の流れと合流します。
手動導入はエラーが出ても自分で切り分ける場面が増えるため、初心者なら最初の1台はPi 4で慣れてからPi 5に挑戦する進め方もおすすめです。
Pi 5を選ぶ理由が性能なら、導入の手間も含めて受け止めてみてください。

コントローラー設定:USB・Bluetooth・キーマッピング

コントローラー設定は、USB有線で認識を確かめてから無線へ進み、EmulationStationで割り当て、最後にRetroArch側の操作を整える流れがいちばん安定します。
筆者のワークショップでも、反応しない原因の多くはBluetoothの待ち状態か有線未認識で、まずUSBに切り替えるだけで切り分けが一気に進みました。
設定のレイヤーを分けて考えると迷いにくく、初回の成功体験も作りやすいです。

まずUSB有線で挙動を確認するのが確実

最初はUSB有線で試すのが鉄則です。
コントローラーを挿すと自動で認識され、いずれかのボタンを長押しするとマッピング設定が始まります。
無線より変数が少ないので、ここで正常に動けば「本体側の認識は問題ない」と判断でき、次のBluetooth設定に進む見通しが立ちます。
筆者の現場でも、ここで詰まっていた人がUSBに切り替えただけで自己解決する場面を何度も見てきました。

EmulationStationでのキー割り当ての流れ

EmulationStationの設定では、Configure Inputを開き、十字キー上下左右、A/B/X/Y、START/SELECT、L/Rの順に画面の指示へ合わせて押していきます。
やること自体は単純ですが、順番に押す形式だからこそ、押し間違いを減らしやすいのが利点です。
割り当てたくないボタンは長押しでスキップできるので、全ボタンを無理に埋める必要はありません。
ここで迷いが出やすいのは入力の順番だけです。
落ち着いて進めましょう。

Bluetoothペアリング(PS4/Xbox/8BitDo)

Bluetooth接続はRetroPieメニュー、またはRetroPie-Setupの設定ツールからBluetooth項目を開いて登録します。
PS4、Xbox、8BitDoなど主要な無線コントローラーに対応しており、ペアリングが終わったらUSBと同じくキーマッピングを行います。
無線化すると机まわりはすっきりしますが、最初から無線だけで進めると切り分けが難しくなります。
まず有線で動作を確認してからBluetoothへ進む流れが。

ゲーム中のホットキーとアナログ有効化

ゲーム中の調整はEmulationStationではなくRetroArch側で行います。
Select+Xなどのホットキーでメニューを開き、アナログスティックが効かないタイトルではアナログを有効化してみてください。
アナログが効かないという相談は定番ですが、ゲーム内ホットキーで切り替えたら直った例を何度も見てきました。
EmulationStationの入力設定と、実際のゲーム中の設定は別物です。
ここを切り分けるだけで、詰まり方は減ります。
コントローラーを2台以上使うなら、1台ごとに同じ設定を繰り返しましょう。
2P用が動かない原因の多くは、2台目をまだ設定していないだけです。

つまずきポイント別トラブル対処

起動直後に黒画面になる症状は、映像信号の交渉がうまくいっていないことが多く、まずケーブル接続と config.txt の設定を切り分けるのが近道です。
音が出ない、ROMが見えない、コントローラーが効かないといった不具合も、原因はそれぞれ似ていて見え方だけが違います。
焦って本体故障を疑う前に、表示・音声・配置・入力を順番に確認すると、復旧の手がかりが早く見つかります。

起動するが画面が真っ黒/映らない

起動しても画面が真っ黒なときは、ディスプレイ側がPiの信号をうまく検出できていないことがよくあります。
そんな場面では config.txt の hdmi_safe=1 を有効にして、安全な映像モードで強制出力すると映るようになることが多いです。
黒画面の相談を受けたときは、筆者もまずケーブルとこの設定を確認させます。
これだけで大半が復旧し、本体故障を疑う前の定番チェックとして役立ちます。

音が出ない・ノイズが乗る

HDMIで音が出ない場合は、映像とは別に音声の出力条件が合っていないことがあります。
config.txt に hdmi_drive=2 と hdmi_force_edid_audio=1 を追記するとHDMI音声を強制できるので、まずはテレビやモニターのHDMI側で鳴らす前提を整えましょう。
3.5mmジャックでノイズが気になるときは disable_audio_dither=1 が効く場合があり、出力先ごとに手当てを分けて考えるのがポイントです。
音声は「出ていない」のか「別経路に逃げている」のかを分けると、対処がずっと整理しやすくなります。

ROMが一覧に表示されない/起動しない

ROMが一覧に出ないときの主因は、ファイル形式の違いと配置フォルダの違いです。
対応していない拡張子のまま置いていたり、機種ごとの正しいフォルダに入っていなかったりすると、システムは単に候補として拾えません。
『ROMが出ない』という相談は、ほぼこの2点に集約されます。
実機で一緒にフォルダを開いて確認すると、本人が原因に気づくことが多く、ここを先に見るだけで遠回りを避けられます。
加えて、PSやサターンなど一部の機種はBIOSデータが別途必要で、不足していると起動しません。
『この機種だけ動かない』場合は、まずBIOS不足を疑う切り分けが有効です。
日本語のゲーム名が□や?に化ける症状は、日本語フォント未導入が原因で、ゲーム動作そのものとは別の表示トラブルだと分けて考えると解決しやすくなります。

コントローラーが急に効かなくなった

コントローラーが急に効かなくなったときは、入力機器の故障より先に接続先の取り違えを疑うと手戻りが少なくなります。
USBの挿し直しで戻ることもありますが、設定画面で認識先が切り替わっていたり、別のポートに入れた結果として入力が外れていたりすることもあります。
いったん抜き差しして反応を見て、次に別ポートで試し、最後に設定を見直す流れにすると落ち着いて整理できます。
ゲーム中に突然効かなくなった場面でも、入力経路を順に追えば原因は見つかりやすいでしょう。

遊び始めてからの快適化と楽しみ方

EmulationStationは、テーマを変えるだけで同じROM一覧でも雰囲気ががらりと変わります。
スクレイパーを通してジャケット画像や説明文を集めておくと、単なる起動メニューではなく、棚に並んだコレクションのような見栄えになるので、触るたびの満足度が上がります。
筆者は、画面が整った瞬間に受講者のテンションが一気に上がる場面を何度も見てきました。
動くだけで終わらず、「所有欲を満たす見た目」に仕上げるのがRetroPieの面白さです。

テーマ変更とスクレイパーで見栄えを整える

EmulationStationのテーマ変更は、気分転換ではなく仕上げの工程です。
文字中心の素朴な画面よりも、作品画像や説明が見えるレイアウトのほうが一覧性が高く、家族や友人にもゲーム機らしく伝わります。
スクレイパーでジャケット画像と説明文を自動取得しておくと、タイトルを選ぶ前から遊ぶ気持ちが乗りやすくなります。
見た目を整える作業は後回しにされがちですが、完成後の満足度を押し上げるので。

セーブ/ステートセーブの使い分け

RetroArchはゲーム内のセーブに加えて、好きな瞬間を丸ごと保存できるステートセーブに対応しています。
ゲーム内セーブは本来の進行に沿って残す方法で、作品側の設計に忠実です。
対してステートセーブは、難所の直前や区切りのいい場面をそのまま保存できるので、レトロゲーム特有の厳しさをやわらげてくれます。
まずは通常のセーブを基本にして、詰まりやすい場面だけステートセーブで補うと、遊び方に無理がありません。
気軽に試してみてください。

ケース・冷却と、適法に遊べるソフトの選び方

Pi 4/5は長時間プレイで発熱しやすいので、ヒートシンクやファン付きケースを最初から入れておくと安心です。
筆者はファンレスのまま夏場に長く遊び、熱暴走しかけた経験があります。
だからこそ、冷却は後回しにせず、組み立ての段階で対策する流れを勧めています。
見た目を重視したレトロ筐体風ケースもあるため、機能と雰囲気を両立しやすいのも魅力でしょう。

ソフト選びは、権利を持つ自作ゲームや、配布が許可されたパブリックドメイン作品、ホームブリーを軸にすると安全です。
違法配布ROMに触れずに遊べる環境を整えておくと、あとから家族や知人に見せるときも説明しやすくなります。
ここを明確にしておく姿勢は、長く楽しむうえでの土台になります。
まずは手元の合法なソフトで動作を固め、次に2台目のコントローラー追加や別世代の機種追加へ広げていきましょう。

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中村 拓也

大手メーカーで組込みシステムの開発に15年従事。Arduino・Raspberry Piを活用した自作IoTデバイスの制作実績多数。電子工作の基礎から応用まで、実務経験に基づいた解説を得意とする。